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主に日記ですか
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お久しぶりの更新で申し訳(汗
なんとか間に合った……かは別としてSSです。
今回はアギトさんが標的です。
またシャマルさんの頭がおかしい感じとなっております。
それではどうぞ。

===============================

『さて、町はクリスマスのイルミネーションで彩られており……』

 テレビから垂れ流されてくるこの時期特有の決まり文句を右から左へと聞き流しながらアギトはふと、疑問を感じた。

「何でみんな同じような恰好をしてんだ」

 テレビ中継されている向こう側では、皆一様に、赤と白をメインの色使いとしたコスチュームに身を包んでいる。

「変な風習があるもんだなー」

 体重を後ろに掛け、ソファに身を沈めて天井を見上げた。
 そこには何もない、ただの天井があるだけ。
 しかし、以前の暮らしを続けていたらこのような光景を目にする機会があっただろうか。
 テレビから流れてくるクリスマスソングをBGMにアギトは何もない天井を見つめた。
 思えば八神家に迎え入れられてもう随分と経ってしまった。
 今ではすっかり馴染んだこの生活だが、時折昔のことを思い出してしまう。
 こうやってただ天井を見ることには何にも意味はない行為だろう。
 だが、こうすることが出来るという環境が――

「アーギートーちゃんっ! 何してるですか?」
「っうわっと!」

 崇高な思考はしかし突然の邪魔ものによってそれどころではなくなった。
 不意を突かれて飛び起きたアギトは振り返り、そいつを忌々しく見やった。

「ったくいつもいつもお前は人の安らかな一時を邪魔しやがって」

 ふわふわと浮遊する小さな人物。そいつはてっぺんから飛び出した髪の毛の束を揺らしながら、一瞥をくれてやっても動じるどころか口元をにやけさせている。
 リインは腰に手を当てながら言い返した。

「はぁ~、これだからアギトちゃんは。このくらいのことで動揺してたら身が持たないですよ」
「てめえが余計なことしなきゃいいんだろうが」

 溜息を吐きつつ、起き上がってリインに向き直った。
 大きく開かれた両目はしっかりとアギトを見つめてくる。純粋に真っ直ぐ見つめてくるリインの話し方には若干抵抗を感じる。嫌なわけではないが、アギトからすると居心地が悪くなってしまう。その原因は照れから生じていることにアギト自身はまだ気づけていない。

「それで、お姉さんに何を聞きたいのかなアギトちゃんは」

 口元に笑みを浮かべながら胸を反らして、リインは訊ねた。

「別に、もう興味なくなっちまったよ」

 そっぽを向いてリインの質問を一蹴したアギトはその場を立ち去ろうとする。

「ふむふむ、なるほど。サンタさんの格好に疑問があると」
「ってちょっと待て。誰がそんなこと言ったんだ」

 立ち去ろうとした意志も、リインの聞き捨てならない一言で打ち砕かれた。
 誰があんな紅白の衣装に興味があるというのだ。しかもあんなにスカートの裾が短くて、さわり心地の良さそうな帽子を被って、可愛らしい毛糸玉が所々にあしらわれている衣装なんて全然興味無い……はずである。

「疑問があるなら着てみればいいですよ」
「はあ? な、何言ってんだよ。着るわけないだろっ! そもそもこんな衣装が直ぐに用意できっこねーっつーの」

 リインの予想外の提案にアギトはうろたえた。しかし、衣装がなければ着ることも出来ない。それだけはどうすることも出来ない問題である。

「あらー二人してどうしたの? いつも仲良しさんね」

 リビングの扉が開き、笑みをたたえながら女性が入ってきた。金髪のセミロングの髪はウェーブが掛かっており、その髪の隙間からは品のあるイヤリングが垣間見え、歩く度に光を反射し、その存在感を主張している。

「何やら揉めているようね、どうしたのリインちゃん?」

 雰囲気を察したシャマルはリインに訊ねた。

「アギトちゃんがサンタさんの格好をしたいそうです」
「ちょ、ま、っ待てーー!! 誰がそんなこと――」

 がしっ!
 反論しようとするアギトであったが、突然鷲掴みにされてそれどころではなかった。
 シャマルは小さなアギトを握り潰さんばかりの勢いで捲し立てた。

「本当に!? アギトちゃん素晴らしいわ。もう感動よ! いやーやっぱりアギトちゃんにはその才能があるんじゃないかと思ってたのよねー」

 勝手に盛り上がるシャマルに反比例するようにアギトは事態を把握できずにいた。何やら雲行きが怪しくなってきたのだけは感じ取れるが。
 だが、肝心な問題が残されたままである。それがアギトにとての最終防衛ラインである。そこを突破されてしまったら後は場の勢いに押し負けてしまうだろう。
 アギトは必死に抵抗し、切り札を出した。

「でも、衣装なんてそんな簡単に用意できないだろ」
「あら、あるわよそのくらい」

 アギトの中で何かが崩れる音がした。
 最早逃げ道はないのだろうかともう一度だけ確認をした。

「え? あるの?」
「あるわよ」

 逃げ道はなかった。

「ささ、はやく子供くらいの大きさに変身して頂戴」

 シャマルは笑っている。怖いくらいに満面の笑みである。

「いや、でもあれは燃費悪いから……」
「……」

 シャマルの無言のプレッシャー。
 何も言わずに微笑むだけとうのもそれはそれで十二分に怖いのであった。

「……わかりました」

 アギトに残された手段は大人しく従うことのみであった。


「じゃーん完成ー」

 白と赤を基調としたワンピース、丈はもちろん膝上20㎝、白い毛玉の付いた帽子は衣装の魅力を引き立てるのに一役買っている。
 シャマルによって無理やり全身コーディネートされたアギトは最早沸騰寸前までに顔を赤らめている。

「アギトちゃん、とっても可愛いですよー」

 端から見ているリインは気楽なもので、ちょっかいを出す余裕まで見せている。

「う、うるせー。こっち見んな」

 耳まで真っ赤にさせてうつむいてしまう。
 スカート裾を懸命に引っ張って伸ばそうとしているが、ささやかな抵抗であろう。その露わになった白い太ももは決して隠れることがない。

「はーい、じゃあ写真撮りまーす」

 パシャ。
 シャマルは突然カメラを取り出した。焦ったのは当然アギトである。

「な、何で撮るんだよ。ってかそんなもんどっから出したー!?」

 うろたえるアギト。
 撮りまくるシャマル。
 傍観するリイン。

 この構図は覆りそうになかった。

「いいわよーアギトちゃん。はいもっとしゃがんでみようかー」

 それにしてもこのシャマルノリノリである。
 鼻息荒く、口元をにやけさせ、シャッターを切ることに夢中である。

「わ、そ、そんなとこ撮るなって。み、見えちまうだろうがっ」

 アギトは慌てて裾を押さえる。だが、抵抗空しくシャッターは無情にも切られていく。
 いつまで続くのだろうか。アギトがそんな疑問を感じ始めた。だんだんと感覚が麻痺してきた気がする。徐々に撮られることに抵抗感がなくなっている。

 ん、少し気持ちいいかも……。

 アギトの中に今までとは違う感情が芽生えた。

「お、おいそんなところダメだってば……、恥ずかしいじゃんかよ……」

 もっと撮って欲しい。可愛く取って欲しい。でも恥ずかしい。
 そんな複雑な感情が織り交ぜになって、とうとうアギトはーー

「きゃーアギトちゃん。どうしたの!?」
「わわっ、大変です」

 ――倒れてしまった。
 しかしシャッター音は止むことがなかった。


「こ、これがサンタの格好か……」

 暗い部屋で一人、アギトは写真を眺めていた。
 焼き増しされた写真はどれもこれもが、アギトがサンタの格好をしており、中には際どいアングルのものも含まれている。

「か、可愛いな……。って何言ってんだ! 自分の写真だぞ」

 暗闇で一人突っ込む。
 しかし、にやけた顔は中々元に戻らない。終始眺めてはにやけることの繰り返しであった。
 アギトは何かに目覚めてしまったのかもしれない。そしてそれは全てシャマルの思惑通りであろう。

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ほんとに時間がないのでSSだけうp

そのうちサイト内を改装したいです

記念SSも書きたいですし

以上っ!!

============================================

「しかし六課の隊舎ってのは広いな」

 六課に到着したアルフはその広さに少々面食らっていた。
 何しろどこにこんな土地があったのだという程の敷地面積だ。
 内部の地理に疎い者が入り込んだらまさに迷宮。地図なしでの行動は命取りになりかねない。
 しかしこんな道に迷うような不審者を簡単に敷地内に入れてもいいのだろうか。
 セキュリティとかしっかりしているのか若干怪しいものだ。大丈夫か機動六課。
 隊舎内の構造は似たりよったりで、どこを歩いても同じような部屋や無機質な壁が広がってる。先を見渡しても目印になりそうな物が見当たらなかった。
 そして先程から同じところを何回も通過し、何度も辺りを見回しながら歩いている不審者が約一名。
 これはもしや――
 脳裏に嫌な単語がちらついた。

「迷子か……」

 何て情けない話だろう。
 忘れ物を届けに行く道中で迷子になるならわからなくもないが、届け先で当てもなく彷徨っていては何しに来たかわからないではないか。
 アルフは必死に考えた。何か解決策はないかと。
 人にフェイトの居場所を尋ねるか。いや、それはだめだ。
 そんなことをしたらフェイトの使い間はろくにお使いも出来ない等という良からぬ噂が立ちかねない。
 そうなっては六課を担う隊長としてのフェイトの顔に泥を塗ることになってしまう。
 それでは部下達に示しがつかないではないか。
 では一体どうするか。
 今の自分に何が出来るのだろうか。

「――でさ、大変なんだよ」

 ふと近くを通りかかった局員の会話が聞こえてきた。あまりにも集中して悩んでいたために人が通ったのに気が付かなかったようだ。

「何か大変なのか?」

 話題を振られた一人が訊ねた。

「いやー最近さ、鼻詰まりがひどくてな。もう寝苦しくて大変なんだ」
「なんだそれで最近訓練中も寝むそう――」

 なんだそんなことか、と大して興味深い内容ではなかったので、途中で聞き耳を立てるのを止めた。

「鼻詰まりねー」

 色々大変だなー、と再び当てもなく歩き出そうとする。

(ん? 鼻詰まり?)

 がしかし、一歩踏み出した時点でアルフの動きが止まる。

(鼻……)

 妙に引っかかる「鼻」という単語。何故気になるのか、そして何でこの程度のことで立ち止まっているのだろうか。

「あー! 鼻だーーっ!!」

 アルフは突然大声を上げた。
 そして気が付いた。一体何に引っかかっていたのか。
 そして「鼻」という単語の意味。
 アルフは自分の素体が狼であることを思い出した。そして狼にあって通常の人間には持っていないものを。

「匂いを辿ればいいんじゃないか」

 狼の鼻は人間のそれとは比べようもない程敏感である。したがって特定の匂いを嗅ぎ分けて探し当てるなど造作もないことだ。
 何故気が付かなかったのか。
 アルフは平和ボケしてすっかり狼素体であることを忘れていた自分を責めた。
 しかし責めたところで事態は進展しない。大切なことはこれからどうするかである。一刻も早くフェイトを探し出すことだ。
 アルフは早速行動を開始する。問題は元となる匂いである。
 手に持っているファイルに視線をやったが、すぐに諦めた。
 いくらフェイトが触った物であっても時間が経ち過ぎており、アルフ自身も持ち運ぶ間にずっと触れていたため、ほとんどあてにはなりそうもなかった。
 何よりも元となるのに適しているのは本人が常日頃から使用している物であったり、普段身につけている物である。
 しかしそう考えると今の現状で当てはまりそうなものは生憎持っていない。
 さて、どうしたものか。
 やはり最後に信じられるものは己自身。

「思い出すんだっ! フェイトの香りを!!」

 気合いを入れて記憶の糸を手繰り寄せる。
 ここ数日で最も接近して匂いを嗅いだのはいつだ?
 その時の香しさを思い出すんだ!

「――そうだ! 朝フェイトの胸に飛び込んだ時」

 確かに最も接近したのは今朝の出来事であろう。というより胸に飛び込んだのだから間違いなく超接近している。正確には飛び込んだのではなく突っ込んだのだが、そんな違いは些細なことだ。

 あの時のフェイトの体全体から発するやわらかな匂い。
 あの時の髪の毛から漂う甘い香り。
 あの時のフェイトの胸の柔らかさ――は関係ないか。

「来てるっ、来てるぞー!」

 アルフはついに前進し始めた。どうやらフェイトの香りを明確にイメージできたようだ。

「こっちか、こっちのほうなのかー!」

 長い廊下を進み、曲がり角をいくつも曲がっても、いっこうに歩く速度は落ちずに、迷うことなく突き進んでいく。歩く速度も徐々に速くなり、仕舞いには走り出した。

「こっちから匂うぞー」

 一心不乱に目的地を目指す。フェイトを見つけるのも、最早時間の問題だろう。

「こっちから、カレーのいい匂いがするぞぉおお」

 違うだろ。目的地を履き違えたままアルフは止まることなく加速していく。
 アルフまっしぐらである。


 辿り着いた先はもちろん食堂。
 時刻はもうじきお昼時ということもあり、局員達で賑わっている。
 アルフは迷うことなくカレーを購入。

「いただきまーって何してんだあたしはぁあああ」

 怒りにまかせてカレーにがっついた。結局注文したカレーは食べるのだ。だってもったいないじゃん。
 カレーを頬張りつつも本来の目的を思い出す。

「フェイトさーん」

 そうそう、フェイトを探してるんだ。ってあれ、今何て言った?

「エリオ、キャロ。こっちだよ」
「ちょっと待ってよエリオ君」

 うぇええええフェイトーー!?

「ごほっ、ごほっ!」

 動転したアルフはカレーを喉に詰まらせた。
 なんとフェイトは食堂にいたのだ。しかもエリオとキャロまで一緒である。
 結果オーライ、終わりよければすべてよし。

「なんだフェイトいるじゃんか、ファイル渡して本日の任務完了ってとこだな」

 アルフはフェイトに持ってきた物を渡しに行こうとして躊躇ってしまった。
 楽しそうだったのだ。
 フェイトがエリオとキャロの三人で食事をしている。
 ただそれだけのことなのに、いたって普通の光景のはずなのに。だが、とても他人が入り込める余地なんてありそうもない。
 アルフはただその光景を遠巻きに眺めることしか出来なかった。
 フェイトは終始笑みを絶やさない。本当に自然と笑みがこぼれている。
 家ではあんな表情をしていただろうか。あんな笑顔は見たことがなかった。
 とてもやわなかな笑顔は、フェイトが家では見せない表情であり、それが何故かひどく哀しかった。
 そしてそんなフェイトの気持ちを受け止める、エリオとキャロの満たされた笑顔。
 彼女たちの笑顔はアルフには眩し過ぎた。
 時に眩しいものは周囲を明るく照らし過ぎる。
 照らされた者には当然影が出来てしまう。
 アルフは照らされ過ぎてしまい、心に影が出来てしまったのかもしれない。
 フェイトの表情はなんだか見ていて羨ましかった。家では自分に対してあんな風に笑ってはくれないのだ。
 胸の辺りがちくりとした。
 胃がむかむかとし、次第に胸の辺りがざわつき始めた。
 これ以上は見ていられない。
 居たたまれなくなったアルフは、ファイルを渡すことも出来ずにその場から逃げる勢いで食堂を飛び出した。
 

のイベント後のオフ会に先日参加してまいりました。

いやー凄いですね150人て。圧倒されましたw
私はひどく人見知りなのであまり話しかけることはできませんでしたが、なかなか賑やかで楽しかったです。

また機会があれば是非とも参加したいところ。

そんなこんなで「アルフ×フェイト=嫉妬」の続きでもうp。

=============================================

「行ってきまーす」

 身支度もそこそこに慌ただしく玄関の扉を開け放ち、今朝もフェイトは駆けていった。
 相変わらず落着きがないのは毎度のことながら仕方のないことだろうか。
 アルフは軽くため息を吐いた。もう少し落ち着きのある朝は迎えられないのだろうかと。

「さーてと」

 掃除するかなー、と大きく背伸びをして部屋の中を見回した。

「ん? なんだこれ」

 アルフは視線をリビングの机の上に向けたところで止まった。机の上にはやや厚みのあるファイルが置かれている。

「あーこれはもしかして」

 そこでアルフは思い出す。昨夜フェイトがこのファイルに目を通していたことを。そして朝リビングにやってきた時も自分の席の脇に置いていたことも。

「まさか、忘れてったのかな」

 わずかな沈黙。
 仮にこれが忘れものだとしたら、フェイトはどうなるのだろうか。しかも重要な書類だとしたら。
 アルフは瞬時に様々な状況を想像した。
 このファイルを忘れたことによりフェイトは上司に怒られるだろう。
 しかも会議で持ち込まなければならない資料とかだったら多人数の前でフェイトは叱られるかもしれない。
 管理局の上司のことだ、フェイトに対してどんな辱めをするかわかったものではない。
 恥ずかしい格好をして一日中お茶運びをさせられたり、一晩中訳も分からず中年の上司の相手をさせられるかもしれない。

 マズイぞーー!!

 アルフの思考回路は最早正常に機能していない。
 あることないこと、いやその実ほとんどないことをつらつらと妄想しだした。
 膨らみ過ぎた妄想はやがて収まりきらずにアルフを駆り立てた。

「行ってきまーす!」

 居ても立ってもいられなくなったアルフはすぐさま家を飛び出した。

 ファイルは手に

 思考は何処に

 そして フェイトへの愛はこの胸に!

 この身に力を ラーブパワーー!!

 魔法幼女リリカルアルフ、ある意味終了のお知らせである。
 

さて、リクなんてないので自分の好きなように書いてみますか。
その前にリリマジ5の本文公開の続きでもして場を繋いでおきます。
とりあえず時間ないのでこのへんで。

「ただいまー」

 夕刻、帰宅を知らせる合図とともに、この家の主であるフェイトが帰ってきた。いつものように六課の制服に身を包み、いつもと同じ笑顔で帰ってくる。

「おかえり、フェイト」

 帰宅の合図を耳にすると、アルフは夕飯の支度を一時中断して玄関までフェイトを迎えにいった。
 アルフも日頃同様にフェイトの帰りを迎える。この主の笑顔の為に自分はいるのだと実感できる瞬間でもあり、アルフはフェイトの帰りを玄関まで迎えにいくのが好きだった。

「あーいい匂い、お腹すいちゃったよ」

 キッチンから漂う香りに反応したフェイトは、お腹をさすりながら微笑んだ。

「今日はアルフが夕飯の支度を?」

 家に他の者がいないことに気がついたのか、フェイトは部屋の中を見回した。

「そうさ、エイミィ達は今日は出かけてる」

 アルフもフェイトの後に続いてキッチンへと戻る。

「だから、今日はあたしが腕によりをかけまくっちゃうよ」

 アルフは腕をまくってぐるぐると回してみせた。

「期待してるよ」

 はは、と笑って「着替えてくるから」と言い残し自室へとフェイトは向かった。
 アルフはそのままキッチンへと向かい、中断していた料理を再開する。

「「いただきまーす」」

 二人揃っての夕食。いや、久しぶりの二人だけの食卓と言ったほうが正しいかもしれない。
 いつもはエイミィ、クロノ、リンディ、カレル、リエラ達がいて、賑やかな夕食であった。
 それに比べると、些か静かな夕飯ということになる。だが、決して寂しいというわけではない。むしろ久しぶりにフェイトと二人きりで食卓を囲むことにアルフは嬉しさを感じていた。

「前から私が保護責任者として面倒を看てた子達いるじゃない?」

 そういえばさ、とフェイトが話を持ち出した。

「ああ、エリオとキャロのことだろ」

 アルフはもちろん知っていた。何しろフェイトと一緒に二人が小さい頃からよく共に過ごしてきたのだ。まあ、今も小さいには変わりないのだが。

「ちびっ子達がどうかしたのか?」

 アルフはエリオとキャロのことをこう表現する。自分も小さいくせに何を言っているのだか。アルフの場合は子犬形態をあえて取っているから別問題かもしれないが。

「今日あの子達の初顔合わせだったんだ」
「おお、そうだったのか」

 エリオとキャロの二人はフェイトに引き取られた時期も異なり、また今まで引き合わせられることなく管理局入りまで話が進んだ。お互いの話は多少は聞かされていたが、実際に会うことはなかったのだ。これは、フェイトが二人の出自を考慮した上であえてそうしたとも言える。

「でも別に何の問題もなかったんだろ?」
「うん、そうなんだ。至って順調、問題なし」

 心配する程のことではなかったのだろう。話すフェイトの表情もどこか穏やかだ。
「最初からそんなに心配じゃなかったんだ。問題なのはタイミング。上手い具合に合わせてあげないとお互い遠慮し合うんじゃないかなってちょっと思ってた程度」
「だろうなー、あの二人がお互いに反りが合わなくて、喧嘩なんてするような性格じゃないしな」

 アルフも気軽に答えた。
 アルフもエリオとキャロのことはよく知っている。もちろん二人ともよい子だということを。
経歴が多少特殊であったとしてもそれは本人達に非があるわけではないのだ。ただ、生まれ育った環境が恵まれてなかったのだ。

「この調子で皆とも打ち解けてくれそうか?」
「うん、きっと他の隊の人達とも上手くやっていけそう」

 本当に嬉しそうにフェイトは言った。
 ここ最近のフェイトは二人のことばかりを話題に出す。しかもいつだって幸せそうな顔で話すのだ。聞かされている方が照れてしまうくらいの溺愛っぷりだ。

「フェイト、今幸せでしょ?」
「もちろん、最高だよ」

 少しからかうつもりで聞いたつもりが、そんなアルフの気も知らないで、フェイトは満面の笑顔で答えた。
 それはそれは幸せそうな表情で。
 見てる方が嫉妬してしまうくらいに。
 

更新となってしまいました(汗

そして地味に訪問数が増えたなぁと思ったらコンさんにリンク張っていただいてました。ありがとうっ!!
こちらからもリンク張らせてもらいところですが、ここんところ時間ないのでもうちょっと待って下さいませ。

そして気がついたら

祝! 1000HIT!!   

ありがとうございます。
記念に何かしたいですが、1000HITのSSとかぱっと思いつかないのですねー。
そこで、ちょっと調子に乗ってリクエストとか募集してみようかな。
なにか適当にカプだとかシチュだとかを拍手やコメントなんかで知らせていただければ書けたら書きます。ジャンルはなのはで。一応期間は一週間くらいかな。たぶん次の更新がそれくらいになりそうなので。
リクなければさくっと何か書くかと。


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